月次決算を早めた経験は、経理の市場価値になる|評価される「改善実績」の作り方

キャリア

月次決算を早めても、評価されないと思っていませんか?

月次決算を10営業日から5営業日に短縮した。

数字だけを見ると、単なる業務効率化に見えるかもしれません。
しかし、その裏側には次のような能力が含まれています。

  • 業務工程を分解する力
  • 遅延原因を特定する力
  • 他部署を巻き込む力
  • 属人化を解消する力
  • 限られた人数で業務を設計する力

これらは、会社が変わっても使える能力です。

つまり、月次を早めた経験は単なる「作業時間の短縮」ではありません。

経理担当者としての市場価値を示す、具体的な改善実績になります。

「月次を担当していました」だけでは差別化できない

経理の職務経歴書には、次のような仕事内容が並びがちです。

  • 仕訳入力
  • 売掛金、買掛金管理
  • 月次決算
  • 年次決算
  • 税理士対応

もちろん、どれも必要な仕事です。

しかし、これだけでは「担当していた業務」は伝わっても、本人がどのような価値を生み出したかまでは分かりません。

そこで重要になるのが、改善前後の変化です。

月次決算を担当していました。

よりも、

月次工程を分解してボトルネックを特定し、締め日を10営業日から5営業日へ短縮しました。

と説明したほうが、考えて仕事を進められる人だと伝わります。

実際僕も転職活動中ですが、既存の業務をこなす中で見つけた課題などを解決しました。と説明して、具体的に聞かれたら事例を回答するようにしています。

そうすると、先方も理解しやすいと思います。

月次短縮で評価されるのは「5日」という結果だけではない

月次短縮というと、締め日数ばかりに注目してしまいます。
しかし、本当に価値があるのは、その結果を生み出した過程です。

例えば、次のような改善があります。

  • 月初に集中していた作業を前倒しした
  • 他部署から届く資料の期限を見直した
  • Excelの集計作業を自動化した
  • 担当者しか分からない作業を標準化した
  • チェック項目と責任者を明確にした
  • 月次工程を一覧化して進捗を共有した

こうした改善は、経理以外の業務にも応用できます。

会社が評価するのは、処理が速い人だけではありません。

問題を発見し、周囲を巻き込み、再現可能な仕組みに変えられる人です。

AI時代ほど「業務を設計できる経理」が必要になる

AIによって、仕訳入力や資料作成などの定型作業は効率化されていくでしょう。
だからこそ経理担当者には、AIを使う前に次の判断が求められます。

  • どの作業に時間がかかっているか
  • 何がボトルネックになっているか
  • どこまで自動化してよいか
  • 人が確認すべき箇所はどこか
  • 改善後の業務をどう定着させるか

AIは作業を手伝ってくれますが、会社ごとの事情を理解して業務全体を設計するのは人の仕事です。

その意味でも、月次改善の経験はAI時代に通用する強みになります。

改善実績を市場価値に変える3つの整理

月次を改善した経験があっても、本人がその価値を言語化できていないケースは少なくありません。
次の3点で整理してみてください。

1.改善前はどうなっていたか

  • 月次に何営業日かかっていたか
  • どの工程で止まっていたか
  • どのような問題が起きていたか

2.自分は何を変えたか

  • 工程をどのように分解したか
  • 誰に働きかけたか
  • どの作業を廃止、前倒し、自動化したか

3.改善後に何が変わったか

  • 月次日数
  • 作業時間
  • ミスや手戻り
  • 残業時間
  • 経営への報告時期

大きな改革である必要はありません。
実際僕も、紙で管理していたものをエクセルに変更など、小さな改革を積みかねてきました。

「集計を毎月2時間短縮した」「資料の回収漏れをなくした」といった改善も、立派な実績です。

まずは月次工程を書き出してみる

市場価値を高めようとして、いきなり資格取得や転職活動を始める必要はありません。

最初に行いたいのは、現在の月次工程を書き出すことです。
そして、それぞれの工程について確認します。

  • 誰が担当しているか
  • いつ開始できるか
  • どのくらい時間がかかるか
  • 何を待っているか
  • 毎月同じ手戻りがないか
  • 前倒しや廃止ができないか

改善できる場所が見つかれば、それが次の実績候補になります。
日々の仕事をこなすだけでなく、仕事の進め方そのものを変える。
この経験が、替えの利かない経理担当者への第一歩になります。

まとめ

月次決算を早めることは、単なる時短ではありません。
その過程で身につくのは、業務を分解し、問題を特定し、周囲を巻き込みながら仕組みを作る力です。

  • 月次担当という「業務」を持っている
  • 月次を改善したという「実績」を持っている

この2つでは、キャリア上の意味が大きく異なります。

まずは、小さな改善を1つ作るところから始めてみてください。

私が年商100億円・経理2名体制の現場で、月次決算を10営業日から5営業日へ短縮した手順を、こちらのnoteにまとめています。工程の分解方法やボトルネックの見つけ方まで、具体的に知りたい方に向けた内容です。
「月次を10営業日→5営業日にした設計図」を読む

改善経験を、経理としての評価やキャリアにつなげたい方にはこちらです。AI時代にも代替されにくい「仕組みを設計できる経理」になるための考え方をまとめています。

「凡人経理が替えの利かない専門家になるための戦略的キャリア論」を読む

コメント

タイトルとURLをコピーしました