こんにちは!ケンドーマメです。
「病院経理って、一般企業の経理とどう違うの?」
「何から勉強すればいいか分からない…」
こんな悩みを抱えていませんか?
僕自身2022年に病院経理に転職した際、まさに壁にぶつかりました。
製造業で7年間経理を経験していたにもかかわらず、
病院特有の会計処理に戸惑いの連続だったんです。
でも、正しい勉強法を実践することで、3ヶ月で実務レベルに到達できました。
記事では、僕の実体験と12年の経理経験を基に、
病院経理の効率的な勉強法を徹底解説します。
病院経理に必要な知識とは?基礎編
病院経理では、一般企業の経理知識に加えて、医療業界特有の知識が求められます。
押さえるべき3つの基礎知識

「医療法人会計基準」
一般企業の企業会計原則とは異なり、医療法人特有の会計ルールを定めたものなんです。
僕が病院経理に転職して最初に驚いたのは、
貸借対照表の科目名が「純資産の部」ではなく「正味財産の部」と呼ばれること。
こんな基本的なところから、違いがあったんです。
「診療報酬制度」の理解
病院の収益は診療報酬によって決まります。
レセプト(診療報酬明細書)の仕組みを知らなければ、
売上の計上タイミングや返戻処理の意味が理解できません。
実際、僕も最初は「なぜ2ヶ月前の売上が今になって減額されるのか」と混乱しました。
「補助金・助成金会計」
病院は国や自治体から様々な補助金を受けています。
会計処理は、一般企業ではほとんど経験しない領域です。
特に新型コロナウイルス関連の補助金では、適切な会計処理が求められました。
僕も今は製造業で経理をしていますが、補助金や助成金などは電気補助金や設備導入補助金などが主で
入金した時に雑収入で処理するだけで終わりました。
実務で頻出する専門用語トップ5

- DPC(診断群分類包括評価)
入院医療費の定額払い方式 - 査定・返戻
診療報酬の減額や支払拒否 - 医業収益・医業外収益
本業収入と副業収入の区分 - 減価償却資産の耐用年数
医療機器は一般機械と異なる耐用年数が適用される - 基本金・国庫補助金等特別積立金
医療法人特有の純資産科目
専門用語は、日常業務で毎日のように目にすると思います。
最初は覚えるのが大変ですが、実務を通じて自然と身につきますよ。
どの業界にいても慣れればなんとかなります。
実務経験と勉強の両立を目指す方法
実務をしながら効率的に学ぶには、「実践→疑問→学習→実践」のサイクルを回すことが重要です。
僕が実践した3ステップ学習法

ステップ1:朝30分の「予習時間」を確保する
出勤前の30分を勉強時間に充てました。
その日に処理する業務の会計基準や関連法規を事前に確認するんです。
たとえば、固定資産の除却処理をする日なら、医療法人会計基準における除却の会計処理を確認します。
「予習」により、実務での理解度が格段に上がりました。
「なぜ仕訳を切るのか」という本質が分かると、応用も効くようになります。
ステップ2:「なぜ?」を放置しない
実務で分からないことがあったら、その日のうちに解決します。
僕はEvernoteに「疑問リスト」を作り、調べた内容を記録していました。
たとえば「なぜ医療機器の減価償却は定率法が多いのか?」という疑問が浮かんだら、すぐに調査。
答えは「技術進歩が早く、早期に価値が減少するため」でした。
こうした小さな疑問の積み重ねが、深い理解につながります。
ステップ3:月末決算を「復習の機会」にする
月次決算は、その月の業務を振り返る絶好の機会です。
僕は毎月、試算表を見ながら「数字の増減理由」を自分で説明できるか確認していました。
説明できない数字があれば、理解不足のサインです。
先輩に質問したり、会計基準を再確認したりして、必ず理解するまで深堀りしました。
会計マニュアルを活用した実践的な勉強法
多くの病院には「経理マニュアル」や「会計処理規程」があります。
マニュアルを最大限活用しましょう。
マニュアル活用の3つのコツ
「事例集」として読む
マニュアルは単なるルールブックではありません。
実務で起こりうる様々なケースと、処理方法が記載された「事例集」として活用できます。
僕は病院に入職して最初の1ヶ月、経理マニュアルを通勤電車の中で読み込みました。
すると「こんなケースもあるのか」と気づきが多く、
実務で類似ケースに遭遇した際にスムーズに対応できました。
「自分用マニュアル」を作成する
既存のマニュアルに、自分なりの補足を加えていきます。
たとえば「処理は○○の理由でこうする」「似た処理との違いは△△」といったメモを追記するんです。
僕はExcelで「経理処理早見表」を作成し、頻出処理のパターンを整理しました。
定期的な「マニュアル見直し」を習慣化する
会計基準や法令は改正されます。
マニュアルも定期的に更新が必要です。
僕は四半期ごとに、医療法人会計基準の改正情報をチェックし、マニュアルに反映させていました。
習慣により、法改正への対応が遅れることなく、常に最新の知識を維持できました。
病院経理で求められるスキルと資格
病院経理で活躍するには、どんなスキルや資格が必要なのでしょうか?
必須スキル3つと推奨資格2つ
Excelの関数・ピボットテーブル
病院経理では大量のデータを扱います。
診療科別収支分析、患者別未収金管理など、Excelスキルは必須です。
特にVLOOKUP関数、SUMIFS関数、ピボットテーブルは毎日使います。
僕は製造業時代からExcelは使っていましたが、病院では扱うデータ量が桁違いでした。
そのため、YouTube動画やUdemyのオンライン講座でスキルアップを図りました。
コミュニケーション能力
意外かもしれませんが、病院経理ではコミュニケーションが極めて重要です。
医師や看護師、事務職員など、様々な職種と連携するからです。
たとえば、コスト削減を提案する際、医療の質を下げずに経費を抑える方法を、医療従事者と一緒に考える必要があります。
一方的に「経費を削れ」と言うだけでは、協力を得られません。
論理的思考力
経営陣に数字を報告する際、「なぜ結果になったのか」「今後どうすべきか」を論理的に説明する力が求められます。
僕は月次報告書に必ず「増減分析」を行い、説明できるようにしてきました。
最初は上手く説明できませんでしたが、継続することで徐々に論理的に話せるようになりました。
日商簿記2級以上
病院経理でも、基本は簿記です。
日商簿記2級があれば、一般的な会計処理は理解できます。
僕は新卒時に2級を取得していたため、病院特有の処理も比較的スムーズに習得できました。
医業経営コンサルタント
より専門性を高めたいなら、医業経営コンサルタントの資格取得を目指すのも良いでしょう。
資格は医療経営全般の知識が求められ、病院経理のスペシャリストとして認められます。
経理の専門書籍やオンラインコースの選び方
効率的に学ぶには、良質な教材選びが不可欠です。
僕が実際に使った教材ベスト3
1位:『必携 医療法人会計基準』(医療経営情報研究所)
病院経理の「バイブル」とも言える一冊です。
僕は本を常に机に置き、迷ったらすぐに参照していました。
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2位:Udemy『医療会計をゼロから学ぶ!病院経営と会計の基礎を学べる入門コース』オンライン講座
動画で学びたい方には、Udemyのオンライン講座がおすすめです。
通勤時間にスマホで視聴できるため、スキマ時間を有効活用できます。
セール期間なら1,500円程度で購入できるのもポイントです。
3位:医薬品業界の会計実務ガイド (EY新日本有限責任監査法人 )
実務で「こんな時どうする?」という疑問が生じた際のリファレンスとして最適です。
僕は本をPDF化してタブレットに入れ、外出先でも参照できるようにしていました。
| 医薬品業界の会計実務ガイド [ EY新日本有限責任監査法人 ] 価格:5,940円(税込、送料無料) (2025/11/13時点) 楽天で購入 |
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教材選びの3つの基準
- 発行年が新しいこと
会計基準は改正されるため、できるだけ新しい教材を選ぶ - 実務事例が豊富なこと
理論だけでなく、具体的な処理例が載っている - 著者の実務経験
実務経験豊富な著者の本は、現場で役立つ情報が多い
病院経理の役割と業務内容の理解
病院経理の役割を理解することで、勉強の方向性が明確になります。
病院経理の基本業務:記帳から決算まで

病院経理の1年間の業務サイクルを見ていきましょう。
日次業務(毎日やること)
- 現金・預金の管理と記帳
- 請求書の処理と支払準備
- 診療報酬データの確認
- 経費精算の処理
僕が病院に入職して驚いたのは、現金の取扱量の多さでした。
患者さんからの窓口支払いがあるため、一般企業よりも現金管理が厳格です。
毎日の現金実査は欠かせませんね。
月次業務(月末にやること)
- 月次決算の実施
- 診療報酬の請求と入金確認
- 未収金の管理と督促
- 月次財務諸表の作成
- 経営陣への報告
月次決算は、一般企業と大きく変わりません。
ただし、診療報酬は請求から入金まで2ヶ月かかるため、未収金管理が非常に重要です。
僕は未収金を「正常債権」「要注意債権」「不良債権」に分類し、回収計画を立てていました。
年次業務(年度末にやること)
- 年度決算の実施
- 監査法人対応
- 税務申告書の作成
- 次年度予算の策定
- 設備投資計画の財務分析
年度決算は最も忙しい時期です。
これはどの業界の経理でも同じだと思います。
特に医療法人は3月決算が多く、4月から5月にかけては残業が増えます。
僕は決算業務を効率化するため、年間を通じて「決算整理事項リスト」を更新し、期末に慌てないよう準備していました。
この決算業務効率化は、新卒で入った製造業で培いました。
医療業界特有の経理業務とは?
一般企業の経理経験者が戸惑うのが、医療業界特有の業務です。
診療報酬請求業務との連携
病院の収益は、診療報酬請求の正確性に直結します。
経理部門は、医事課が作成したレセプトデータを基に売上を計上します。
しかし、レセプトには査定や返戻がつきものです。
「3ヶ月前に計上した売上が、今月になって減額された」というケースは日常茶飯事です。
僕は仕組みを理解するのに1ヶ月かかりました。
補助金・助成金の会計処理
病院は多くの補助金を受けています。
設備投資補助金、運営費補助金、新型コロナ関連補助金など、種類は多岐にわたります。
補助金には「返還不要」のものと「条件付き」のものがあり、会計処理が異なります。
僕は補助金ごとに「補助金台帳」を作成し、交付条件や会計処理方法を一覧化していました。
医療機器の減価償却
医療機器は高額で、かつ技術進歩が早いという特徴があります。
そのため、減価償却方法や耐用年数の選択が重要です。
たとえば、MRI装置は6年、CT装置は6年、電子カルテシステムは5年が法定耐用年数です。
僕は最初、これらを覚えるのに苦労しましたが、「固定資産台帳」に耐用年数を記載し、いつでも確認できるようにしました。
病院経理と他部署との連携の重要性
病院経理は、他部署との連携なしには成り立ちません。
医事課との連携
医事課は診療報酬請求を担当します。
経理部門は、医事課が作成したレセプトデータを基に売上を計上するため、密接な連携が必要です。
僕は月に1回、医事課と「データ突合せ会議」を実施していました。
レセプト件数と経理計上額にズレがないか、
返戻・査定の処理が適切かを確認するんです。
購買部門との連携
医薬品や医療材料の購入は、病院の原価に直結します。
購買部門が発注した物品の入荷情報を、
経理部門がタイムリーに把握することが重要です。
僕は購買システムと会計システムを連携させ、入荷情報が自動で経理に伝わる仕組みを構築しました。
仕組みにより、計上漏れが大幅に減少しました。
経営企画部門との連携
経営企画部門は、病院の中長期計画を策定します。
経理部門は、計画を財務的に裏付けるデータを提供する役割を担います。
僕は四半期ごとに「財務分析レポート」を作成し、経営企画部門と共有していました。
「どの診療科が利益を生んでいるか」「固定費の削減余地はどこにあるか」といった分析が、経営判断の材料になります。
経理での数字分析が病院経営に与える影響
経理は単なる「記録係」ではありません。
数字を分析し、経営判断に活かすことが求められます。
診療科別収支分析の実例
僕が勤めていた病院では、診療科別の収支が可視化されていませんでした。
そこで、診療科ごとに収益と費用を配賦し、収支を算出する仕組みを構築しました。
結果、ある診療科は黒字だと思われていたのが、実は赤字だったことが判明。
経営陣はデータを基に、診療体制の見直しを決断しました。
未収金回収率の改善
未収金は病院経営の大きな課題です。
僕は未収金を「発生月別」「金額別」「患者別」に分析し、回収率の低い層を特定しました。
分析の結果、「高額未収金は回収率が低い」「発生から6ヶ月を超えると回収困難」といった傾向が見えました。
分析を基に、医事課と協力して回収プロセスを改善し、回収率を5%向上させることができました。
医療機関におけるコスト管理の基本
病院は「非営利」が前提ですが、持続可能な経営のためにはコスト管理が不可欠です。
変動費と固定費の管理
病院の費用は、変動費(医薬品、医療材料など)と固定費(人件費、減価償却費など)に分けられます。
僕は毎月、「変動費率」(変動費÷医業収益)を計算し、標準値からの乖離を分析していました。
変動費率が上昇した月は、医薬品の使用状況を調査し、無駄な使用がないかチェックしました。
人件費管理の重要性
病院の最大の固定費は人件費です。
医療スタッフの人件費は、診療の質を保ちつつ、適正水準に保つ必要があります。
僕は「人件費率」(人件費÷医業収益)を毎月モニタリングしていました。
一般的に、病院の人件費率は50〜60%が適正と言われます。
指標を経営陣と共有することで、採用計画の判断材料になりました。
病院経理の勉強に役立つリソースとツール
独学で効率的に学ぶには、良質なリソースの活用が鍵です。
おすすめの病院経理関連セミナー一覧
実務に直結する知識は、セミナーで学ぶのが効果的です。
全国病院経営管理学会のセミナー
年に数回開催される、病院経営に特化したセミナーです。
経理だけでなく、医療経営全般のトピックが扱われます。
僕は年に2回は参加し、最新のトレンドをキャッチアップしていました。
参加費は1回あたり1万円程度(会員かどうかで変動します)。
高いと感じるかもしれませんが、講師は第一線で活躍する専門家ばかりで、質疑応答では実務の悩みを直接相談できます。
税理士法人主催の医療法人税務セミナー
医療法人の税務は特殊です。
一般企業とは異なる税制優遇や、消費税の取扱いなど、専門知識が必要です。
僕は顧問税理士法人が主催する無料セミナーに定期的に参加していました。
税務の最新動向を学べるだけでなく、他の病院の経理担当者とネットワークを作る機会にもなりました。
オンライン学習プラットフォームの活用法
時間や場所に縛られず学べるオンライン学習は、忙しい経理担当者の強い味方です。
Udemyで学ぶ病院経理
Udemyには病院経理に特化した講座があります。
僕が受講した「医療会計をゼロから学ぶ!病院経営と会計の基礎を学べる入門コース」という講座は、病院特有の会計処理を網羅的に学べました。
講座は買い切り型なので、何度でも復習できます。
通勤時間や昼休みに少しずつ視聴し、3週間で完走しました。
参考:医療会計をゼロから学ぶ!病院経営と会計の基礎を学べる入門コース
YouTubeの無料動画
最近は、税理士や公認会計士がYouTubeで病院経理の解説動画を公開しています。
無料で質の高い情報が得られるため、まずはYouTubeから始めるのも良いでしょう。
僕がよく見ていたのは「医療経営チャンネル」です。
月次決算のポイントや、診療報酬改定の影響など、タイムリーな情報が更新されていました。
参考:医療経営チャンネル
経理業務の効率化ツールとその選び方
業務効率化は、勉強時間を捻出するためにも重要です。
会計ソフトの選定
病院経理では、医療法人会計基準に対応した会計ソフトが必要です。
使っていたのは「MJS医療大臣」でした。
診療報酬データとの連携機能があり、売上計上が自動化されていました。
ソフト選定のポイントは、「他システムとの連携性」「サポート体制」「カスタマイズ性」の3つです。
導入前にデモ版を試用し、自院の業務フローに合うか確認しましょう。
しかし、既存の会計システムがある場合はそちらに慣れることに集中しましょう。
Excelマクロ・VBAの活用

定型業務はマクロで自動化しましょう。
僕は「診療科別収支集計マクロ」「未収金管理マクロ」を自作し、月末業務の時間を半減させました。
プログラミング経験がなくても、YouTubeやオンライン講座で基礎から学べます。
僕も完全な初心者でしたが、3ヶ月の学習で実用的なマクロを組めるようになりました。
資格取得を目指す方への勉強計画の立て方
資格取得を目標にすると、勉強のモチベーションが維持しやすくなります。
3ヶ月で簿記2級に合格する計画
簿記2級の勉強時間は、一般的に250〜350時間が目安です。
3ヶ月で合格を目指すなら、経験則的に1日3時間の勉強が必要です。
僕が推奨する計画は以下の通りです。
- 1ヶ月目:テキストを読み、基礎を固める(1日2時間)
- 2ヶ月目:問題集を解き、実践力をつける(1日3時間)
- 3ヶ月目:過去問を繰り返し、試験慣れする(1日4時間)
土日は5〜6時間確保し、平日の不足分を補いましょう。
働きながら医療経営士3級を取得する方法
医療経営士は、医療経営の知識を体系的に学べる資格です。
3級なら、2〜3ヶ月の学習で合格可能です。
公式テキストを読み込み、過去問を解くのが王道です。
僕は通勤電車でテキストを読み、昼休みに問題を解く習慣をつけました。
試験2週間前からは、毎日1時間の模擬試験で仕上げました。
まとめ:病院経理の勉強は「実践」と「理論」の両輪で
病院経理の勉強は、決して簡単ではありません。
しかし、正しい方法で継続すれば、必ず習得できます。
僕自身、製造業から病院への転職当初は不安だらけでした。
でも、「朝30分の予習」「疑問の即日解決」「月次決算での復習」という3つの習慣を守ることで、3ヶ月で実務レベルに到達できました。
大切なのは、実務経験と理論学習を並行して進めることです。
実務だけでは理解が浅くなり、理論だけでは応用が効きません。
記事で紹介した方法を、ぜひ実践してみてください。
病院経理のスペシャリストとして、あなたが活躍する日を楽しみにしています!

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