はじめに:在宅勤務の「楽すぎる」という罠
在宅勤務を始めて数ヶ月、「あれ?これってちょっと楽すぎない?」と感じているあなた。その感覚は決して間違いではありません。
通勤時間がなくなり、上司の目も届かず、自由度が格段に上がった反面、「このままで本当に大丈夫なのだろうか」という不安を抱えていないでしょうか。
私の妻がリモートワークをしていますが、のんびりな時があったりすると不安になるそうです。
しかし、適切な習慣と仕組みを構築することで、在宅勤務の利点を最大限活用しながら、生産性と評価を向上させることが可能です。本記事では、私の妻の実体験を中心に紹介します。
在宅勤務で生産性が下がる3つの原因

1. 時間管理の曖昧さ
オフィス勤務では、出社・退社時間が明確で、会議室の予約や同僚との打ち合わせなど、自分以外の要因で時間がうまる為、時間の使い方学べます。
しかし在宅勤務では、この制約がなくなるため、時間の使い方が曖昧になりがちです。
日本労働組合総連合会の調査では、在宅勤務者の約70%が「時間の区切りがつけにくい」と回答しており、これが生産性低下の最大要因となっています。
僕は今フル出社ですが、時間管理等点においてはしっかり出来ると思います。
(何時に家を出発して、何時からお昼ご飯で・・等)
参考:日本労働組合総連合会「テレワークに関する調査2020」
2. コミュニケーションの減少
オフィスでは廊下での立ち話や休憩室での雑談から生まれる情報交換が、仕事の効率化や問題解決につながることが多々あります。
在宅勤務ではこうした「偶発的コミュニケーション」が激減し、結果として情報不足や孤立感を生み出します。
僕は経理で黙々と作業したい人なので、この状態はむしろ歓迎です。
出社していても、用がある時以外話しません。一人で黙々と集中して仕事しています。
経理の方はあるあるなのではないでしょうか。
3. 環境による集中力の散漫
自宅という環境は本来リラックスする場所であり、集中して作業する場所として最適化されていません。家族の存在、生活音、家事の誘惑など、様々な要因が集中力を削ぐ要因となります。
在宅勤務をする上で一番気になっている所がこれです。
仕事とプライベートの区別がつくのかなと思っています。
在宅勤務で生産性と評価を上げる3つの習慣

生産性が下がる原因に対して、在宅勤務のメリットを最大化するための3つの習慣をご紹介します。
習慣1:1日のスケジュールを時間単位で管理する
具体的な方法:
1日のスケジュールを時間単位でブロックに分け、それぞれに具体的なタスクを割り当てる事で時間管理をする事が出来ます。
- 前日の夜に翌日のスケジュールを15分単位で作成
- 9:00-9:30:メールチェック・返信
- 9:30-11:00:プロジェクトA資料作成
- 11:00-11:15:休憩
- 11:15-12:00:チーム会議準備
- 各ブロックの開始時にスマートフォンでタイマーを設定
- 終了時に実績と次回への改善点をメモ
効果的なツール:
グーグルカレンダーに書き込む事で可視化する事ができ、今日の作業が明確になります。1日などで終わらない作業などは、別でtodoリストなどに入れて管理するといいと思います。
習慣2:コミュニケーションの可視化
効果的な報告の仕組み化:
在宅勤務では、自分の働きぶりが見えにくいため、意識的に可視化する必要があります。
以下の3段階報告システムを導入しましょう。
朝の宣言(9:00まで):
【今日の重点タスク】
1. 顧客A社向け提案書完成(優先度:高)
2. チーム会議資料準備(優先度:中)
3. 来週のプロジェクト計画立案(優先度:中)
【予想される課題】
・提案書のデザイン部分で外部業者との調整が必要
・会議資料の一部データが未入手
【サポートが必要な事項】
・顧客A社の過去事例資料の共有をお願いします
中間報告(13:00頃): 進捗状況と午後の計画を簡潔に報告
終了報告(18:00まで): 完了事項、未完了事項、明日への引き継ぎ事項を整理
コミュニケーションツールの使い分け:
- Slack:日常的な連絡、雑談チャンネルでチーム結束維持
- Zoom:重要な議論、ブレインストーミング
- メール:正式な依頼、外部との連絡
- Notion:プロジェクト進捗の共有、ナレッジ蓄積
実践のポイント: 報告は「量より質」を重視し、上司が知りたい情報(進捗、課題、次のアクション)を明確に伝えることが重要です。妻の仕事ぶりを見ていても、進捗など報告しています。
習慣3:作業環境の整備
物理環境の最適化:
在宅勤務の生産性は、作業環境に大きく左右されます。以下の要素を整備しましょう。
照明環境:
- 自然光を最大限活用(デスクを窓際に配置)
- 不足分はデスクライト(色温度5000K-6500K)で補完
- 夕方以降は暖色系(3000K以下)に切り替えて目の疲れを軽減
音響環境:
- 集中作業時:ホワイトノイズや自然音(雨音、波音など)
- 創作活動時:歌詞のないBGM(クラシック、アンビエント)
- 会議時:ノイズキャンセリング機能付きヘッドセット
温度・湿度管理:
- 室温22-25℃、湿度40-60%を維持
- 空気の流れを作るため定期的な換気
時間ルーティンの確立:
オフィス勤務と同様の「仕事モード」に入るためのルーティンを作成します。
開始ルーティン(30分):
- 起床後のシャワー(5分)
- 仕事着への着替え(5分)
- 朝食・コーヒー(15分)
- デスク周りの整理・PCセットアップ(5分)
終了ルーティン(15分):
- 明日のタスク整理(5分)
- デスクの片付け(5分)
- PCシャットダウン・仕事道具を決まった場所に収納(5分)
効果測定の方法: 生産性向上を客観的に測定するため、以下の指標を週単位で記録しています。
- 計画したタスクの完了率
- 集中できた時間(実測値)
- 上司・同僚からのフィードバック頻度
- 自己満足度(10段階評価)
僕の場合は、在宅で仕事をするなら作業の向きを変えます。
通常窓の方を向いて趣味の時間を過ごしているとしたら、仕事の時は反対側の壁を見ながら仕事する。といった形です。
上司の評価を高める2つの方法

成果の可視化テクニック
在宅勤務では「過程」よりも「結果」が重視される傾向があります。そのため、自分の成果を効果的に可視化する技術が不可欠です。
数値化できる成果の報告例:
- 「顧客満足度調査で前月比15%向上」
- 「プロジェクト進捗を予定より3日前倒しで完了」
- 「コスト削減提案により年間200万円の節約を実現」
僕の場合、月次決算を5営業日以内に終わらせる方法の考案をしました。
数値化が困難な成果の報告例:
- 「新入社員のメンターとして、1on1を週2回実施し、早期戦力化に貢献」
- 「部署横断的な課題解決チームのファシリテーターを務め、3つの改善案を提案・実行」
僕の場合、手入力で入力していたデータをエクセルで自動参照する事にしました。
先回りした情報提供
上司が求める前に必要な情報を提供することで、信頼関係を構築できます。
実践的な先回り報告の例:
- プロジェクト途中でリスクを発見した際の即座の報告と対策案の提示
- 競合他社の動向や業界トレンドの定期的な共有
- チーム内で発生した小さな問題の解決結果報告
個人的に、上司から「あれどうなった?」と言われる前に報告をすることが大事です。
「あれどうなった?」と言われたら、報告のタイミングが遅いと思いましょう。
まとめ:在宅勤務を「楽すぎる」から「成長の場」へ
在宅勤務の「楽すぎる」感覚は、適切な習慣と仕組みがないことから生じる不安の表れです。本記事で紹介した3つの習慣を実践することで、この不安を解消し、むしろ在宅勤務を自己成長とキャリア発展の機会に変えることができます。
重要なのは、完璧を求めすぎず、小さな改善を積み重ねることです。私自身も最初は試行錯誤の連続でしたが、継続的な改善により、現在では在宅勤務の方がオフィス勤務よりも高い生産性を実現できています。
あなたも今日から一つずつ実践を始めて、在宅勤務を最高の働き方に変えていきましょう。この記事が、あなたの在宅勤務ライフをより充実したものにする助けとなれば幸いです。
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